槍ヶ岳
槍ヶ岳は高校山岳部1年の時、初めてのアルプス縦走で登った山である。今でもその頂きに立った感激は覚えている。槍を下り、初めての上高地、徳沢園でのテントの夜は本当に楽しかった。
私の山生活の始まりは地元米山だが、「ずっと山に登り続けよう」と意識したきっかけは間違いなく槍ヶ岳である。原点である。
今朝の読売日曜版に森山良子さんが槍ヶ岳のことを書いている。早世されたお兄さんとの思い出を振り返りながら、山の力について語りかけている。槍の頂上でお兄さんの声を聞いた気がする、と。
「家族は悲しみを言葉にすることを避け、心に押し込めて生きてきました。その兄に会えたように感じたのです。胸のつかえが取れ、その後、『涙そうそう』で兄への思いを詞に書きました」
私も今まで3回槍に登っている。2回目はOBとして現役高校生と。3回目は今や合衆国政府環境政策部門要人として活躍する畏友と。それぞれ感じるところ、考えるところが多い山行だった。
昨晩、思わぬメールを頂いた。大学時代の友人からである。もう、25年会っていない。「恥ずかしくないように・・・、毎日を大切に・・・」という彼女の言葉が「今朝の槍ヶ岳」と何故か同調した。ありがとう。
私もまた槍に登ってこようと思う。