田中と斎藤に見る幸せ
「押し出し四球に楽天・田中将大のすごみを見た思いがする」
この一文から始まるコラムを朝日:EYEで編集委員西村欣也氏が書いている。要は先日の楽天・田中、日ハム・斎藤の対決で、田中、9回2アウト満塁からの押し出し四球を「計算されたものではなかったか」と言うのだ。長打を避けなければならない場面で敢えてボール球を投げる。
私も、試合後の二人のコメントを見て、感じるものがあった。田中のプライドと斎藤の意地が見えた。どう考えても違うタイプの二人であり、斎藤に関しては素人の私が見ても今後に不安がある。しかし、「この差を埋めるための努力をしていく」「埋められない差ではない」と話す斎藤に、男だねえ、と感心した。田中ファンの私は田中のコメントに「賢さ」を感じるようになってきたのも嬉しい驚きであった。
田中が斎藤の男気を導き出し、斎藤が田中の聡明さを掘り起こす、私にはそう感じられた。恥ずかしながら涙したのだ。(私は大臣ではないから良いでしょう)
西村氏のコラムは以下のように締めている。
「田中はあの夏があったからこそここまで来られた。斎藤は田中がいるから、今、はっきりした目標を設定できる。簡単に差は詰まらないかもしれない。しかし、あの夏の戦いを再びできる男たちは幸せだ。見守るわれわれも幸福を共有できる」
そして、私はうらやましいのだ。